発毛剤と育毛剤。どちらも薄毛を改善するための商品としてよく見かけますが、発毛剤と育毛剤の違いをご存知ですか?
発毛剤と育毛剤は、使い方を正しく理解しておかないと、効果が出にくいばかりか、いつまでもあなたの望んでいる髪の毛の状態にならない可能性もあります。
そこで今回は、発毛剤と育毛剤について詳しく解説します。
- 発毛剤・育毛剤とは?
- 発毛剤と育毛剤は何が違うのか
- 発毛剤と育毛剤のどちらを使うべきか
- 発毛剤もしくは育毛剤を使うときの注意点
- 発毛剤や育毛剤を使用する以外に薄毛を自己解決する手段
この記事を読んで、使用する上での効果や注意点を知ることで、自身の薄毛改善に最適な手段が分かるはずです。ぜひ最後まで読み進めてみてください!
目次
発毛剤・育毛剤とは?
育毛剤と発毛剤は、混同されがちですが、異なる目的や効果があります。そもそも発毛剤・育毛剤の違いとは、なんなのでしょうか。まずは、発毛剤と育毛剤の概念を理解するところからスタートです。以下の2ポイントで解説していきます。
- 発毛剤の定義
- 育毛剤の定義
それぞれ詳しく見ていきましょう。
発毛剤の定義
発毛剤とは、新たに髪の毛を生やすための医薬品です。AGA(男性型脱毛症)に対する薬として開発されました。発毛剤は新たに毛を生やして、薄毛や抜け毛を太くてハリのある毛髪へと成長させます。
- 新しい髪を発毛させる
- 髪の成長期を伸ばし、抜け毛を改善する
- 太く長い髪を育てる
発毛剤は血管を拡張させて血圧を下げるはたらきを持つミノキシジルという有効成分が含まれています。もともと高血圧の治療薬として使用されていたミノキシジルに、髪の毛の成長を促す毛乳頭細胞へ作用する効果があるとわかり、AGA治療薬として改良されたのです。
育毛剤の定義
育毛剤は、既存の髪の毛を成長させるための薬です。
薄毛や抜け毛の原因として、頭皮の乾燥や余分な皮脂の分泌トラブルがあります。育毛剤は、頭皮の血行を促進したり、栄養を補給したりして雑菌が繁殖している状態を改善し、将来の抜け毛を防止します。ただし、医薬部外品のため効果の即効性は期待できません。
根気強く、長い期間をかけて使用することで実感を得られます。また、すでに生えている髪の毛の成長促進をするのが育毛剤ですから、新たな毛を生やしたい方には向いてません。逆に、少しずつ薄毛が気になってきた方が薄毛の予防として使うのには適していると言えるでしょう。
発毛剤と育毛剤の違いは?
薄毛の症状で悩む人は、育毛剤や発毛剤を使うことで薄毛の悩みを改善できる可能性があります。適切なアプローチのために、発毛剤と育毛剤は何が違うのかを知ることは大切なことです。ここからは、実際に育毛剤や発毛剤から得られるそれぞれの効果を紹介します。効果は、おもに以下の3つです。
- 使用すべき症状や期待できる効果が違う
- 起こりうる副作用の症状が違う
- 配合されている成分が違う
それぞれ詳しく解説していきます。
使用すべき症状や期待できる効果が違う
発毛剤と育毛剤の1つ目の違いは、使用すべき症状や期待できる効果です。育毛剤を使用すべきなのは、以下のような症状です。
- 毛髪のボリューム低下
- 毛髪の太さや強度が弱い
- ふけやかゆみなどの頭皮トラブル
育毛剤は血行を促し、頭皮に栄養を与えてコンディションを安定させる働きがあります。残っている毛髪を抜けにくい丈夫な毛髪に育てたい、頭皮を健やかに保ちたい方は、育毛剤がおすすめです。
一方で、発毛剤を使用すべきなのは、以下のような症状です。
- 男性型脱毛症(AGA)の方
- まだAGAではないけれど脱毛が次第に多くなってきた方
上記のような症状がある場合、毛髪を新しく生やし、定着させる効果が期待できる発毛剤が適しています。発毛成分のミノキシジルが薄毛や抜け毛の原因であるヘアサイクルの乱れを戻してくれますし、すでにある毛髪を強く成長させてくれます。
起こりうる副作用の症状が違う
育毛剤と発毛剤は含まれている成分が異なるため、副作用も一部異なる部分があります。まずは、育毛剤・発毛剤に共通してみられる副作用から紹介します。
- 頭皮のかゆみ
- かぶれ
- 赤み
- 発疹
- フケなどの皮膚症状
育毛剤と発毛剤は、両方とも頭皮に直接塗布するため、外用薬によく見られる副作用が出やすいようです。特に発毛剤は、ミノキシジルという高血圧を治療する「血圧降下剤」の成分が含まれているので、育毛剤にはない副作用が起こる可能性があります。
発毛剤にみられる副作用として、頭痛、めまい、動悸、胸の痛みなどがあります。また、急激な体重増加や手足のむくみが起こる可能性もあります。心臓疾患、腎臓疾患、高血圧症、低血圧症などの既往歴がある方は重度化することもあるので、注意が必要です。
過去に上記のような症状が出たことがある方や、副作用が不安な場合は、自己判断で使用せず、事前に医師・薬剤師に相談してくださいね。
配合されている成分が違う
毛を増やすためには、3つの成分が重要です。
- 「FGF-7」「KGF」:毛の成長を促す成分(血行促進・毛母細胞を活性化)
- 「ミノキシジル」:育毛・発毛を促進する効果が認められた有効成分
- 「バイオポリリン酸」:頭皮環境をケアする保湿成分
医薬品である発毛剤に使用されている「発毛効果のある有効成分」のミノキシジルは、発毛効果が医学的に認められている外用薬の唯一の成分です。
- 血管拡張による血行促進
- 毛乳頭細胞の活性化
- 発毛シグナルの産出
外用薬として、市販品には1%~5%までのミノキシジルが含まれています。ミノキシジルにより頭皮の血行がよくなることで、頭皮の毛乳頭細胞をはじめとしたあらゆる部位に栄養が十分届くようになり、発毛作用が生まれるのです。
発毛剤と育毛剤のどっちを使ったらいいの?
発毛剤と育毛剤は結局どちらを使うべきなのでしょうか?
以下の2つのポイントでそれぞれ解説していきます。
- 発毛剤を使うべき人
- 育毛剤を使うべき人
それでは、詳しく見ていきましょう。
発毛剤を使うべき人
まずは、発毛剤を使うべき人について見ていきましょう。
発毛剤は毛を育てるために使用するものです。そのため、薄毛の症状が進んでいる方は、治療・改善が期待できる発毛剤を使うのがおすすめです。薄毛の原因がAGAの場合、病院でもらう薬よりは劣りますが、それなりの効果が期待できます。
また、シャンプーや朝起きた時など、脱毛が次第に多くなってきた方が髪の毛の成長促進を狙うために使うのにも適しています。将来の抜け毛を防止するため、頭皮環境を整えたい方にも推奨できるでしょう。
育毛剤を使うべき人
毛髪のボリューム低下、毛髪の太さや強さが弱いなど、薄毛が気になってきた方は育毛剤が適しています。現在は頭皮や髪の毛に関するお悩みがない方でも、将来の薄毛が気になる方は、育毛剤を予防として使ってもいいでしょう。
ここで一度、発毛剤と育毛剤の特徴をまとめておきます。
- 育毛剤は悩みの予防や現状の維持に使われる「医薬部外品」
- 発毛剤は疾患や症状を治療・改善する「医薬品」
すでに髪が薄くなり始めている方は発毛剤を、薄毛を予防したい方は育毛剤の使用がおすすめです。ただし、市販のものは手に入りやすいですが、効果を感じにくいという口コミもあります。効果的に使用するために、まずはAGAクリニックに相談してみることも検討しましょう。
発毛剤もしくは育毛剤を使うときの注意点
発毛剤や育毛剤は発毛効果がある反面、使用にあたっての注意点もあります。発毛剤の効果をより発揮するために、気をつけたいポイントを3つ紹介します。
- 正しい用法や用量を守る
- 発毛剤と育毛剤は併用しない
- 体に異常を感じたら使用を中止する
ひとつずつ詳しく解説していきますので、一緒にチェックしていきましょう。
正しい用法や用量を守る
育毛剤や発毛剤は、多く使えば使った分髪が増えたり、成長したりするわけではありません。用量は少なすぎても多すぎても、うまく効果が出ないばかりか、むしろ副作用等のリスクにつながる可能性もあります。
育毛剤は局所的に使用すると効果が出にくくなります。仮に育毛したい箇所がピンポイントであっても、頭皮全体に塗布してください。育毛剤は、洗髪後、頭皮に揉みこむように塗り広げます。指の腹を使って塗布したあとはタオルで水気を軽くふき取り、ドライヤーでしっかりと乾かすようにしましょう。
発毛剤は育毛剤とは逆に、頭皮全体ではなく脱毛している頭皮部分にだけ塗布しましょう。それぞれ使い方が異なるので、効果を最大限に出すための推奨されたルールを守って使用してください。
発毛剤と育毛剤は併用しない
「どちらも一緒に使えば効果が上がるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、発毛剤と育毛剤の併用にはリスクがあります。
育毛剤や発毛剤の使用説明書には、「他の育毛剤・発毛剤・他の外用剤(軟膏・液剤など)の頭皮への使用は避けてください」という注意が記載されていることがほとんどです。
上記で説明したように、発毛剤と育毛剤には違った効果があります。それぞれに適した効果をあげられるよう、成分の割合や濃度を調整して作られています。育毛剤と発毛剤を合わせて使用することでバランスが崩れ、本来の効果を発揮できない可能性があるのです。
また、複数の薬剤を併用することで、成分量が多くなって吸収量が上がったり、相性の悪い成分が混ざったりして副作用が発生する確率が高くなります。
体に異常を感じたら使用を中止する
育毛剤・発毛剤を使っていて、体調が悪くなったり、頭皮トラブルが起こった場合、副作用の可能性があります。放置してそのまま使い続けると発毛効果が出にくくなるだけでなく、脱毛の症状が悪化する可能性もあります。
もし吐き気やめまい、頭皮異常などの症状が見られた場合、育毛剤・発毛剤の使用を中止して、専門の医療機関で医師の診察を受けてください。医院では、使った育毛剤・発毛剤の種類を伝えてくださいね。
発毛剤や育毛剤を使用する以外に薄毛を自己解決する手段
発毛剤や育毛剤を使用する以外に薄毛を自己解決する手段があります。ここでは、薄毛に悩む方が個人で解決したいときに試してほしい手段について、以下の3つを紹介します。
- 栄養バランスの取れた食事を摂取する
- 睡眠の質を高める
- ストレスを溜めずにリフレッシュする
ひとつずつ詳しく解説していきます。
栄養バランスの取れた食事を摂取する
栄養バランスの取れた食事を摂取することで、ヘアサイクルの乱れを改善して薄毛を対策できます。では、髪にとって栄養バランスの取れた食事とは、どんな食事なのでしょうか。
髪に必要な栄養素として「タンパク質」「亜鉛」「ビタミン」があります。髪の成長に必要な栄養素を摂取することで、薄毛の予防と進行の抑制が期待できます。
特におすすめなのが、豚レバーを使ったレバニラ炒めです。豚レバーには、ビタミンB群や亜鉛、タンパク質など、薄毛予防にいい栄養素が多く含まれます。ここに殺菌作用や抗酸化作用も期待できるニラを加えることで、より薄毛予防効果が期待できるメニューになります。
参考 ニラレバ炒めの基本レシピ&おすすめ献立macaroni AGAの対策には普段の食事が肝心。オススメの食習慣やNGな食習慣を解説睡眠の質を高める
睡眠の質を高めることは、薄毛予防に効果があるとされています。睡眠不足が続いてしまうと、髪の成長に必要なホルモンが分泌されにくくなり、ヘアサイクルの乱れを進行させてしまうからです。
具体的には、入眠後〜3時間が一回の睡眠でもっとも眠りが深くなるといわれています。成長ホルモンの分泌を促進するために、日付が変わる前に就寝して、6時間以上の睡眠を取るようにしましょう。
また、質のよい睡眠のためには、寝る前の環境を整えることも大切です。携帯やテレビは就寝直前には見ず、頭を休ませましょう。リラックスして眠れるよう、照明は落として、好きなアロマの香りを焚いたり、ホットアイマスクなどを付けて眠るのもおすすめです。
薄毛を予防するには睡眠がカギ。良い睡眠をとるための基礎知識やポイントを解説ストレスを溜めずにリフレッシュする
ストレスを強く感じ続けると、自律神経が乱れて交感神経が働き続ける不調が起こります。交感神経が働き続けることによって血液の流れが悪くなり、栄養が頭皮まで届かなくなって薄毛になってしまうのです。
ストレスはためないのが1番ですが、根本的に改善するのは難しいもの。改善しにくい場合は、ストレスからうまく逃げましょう。
体を動かすことが好きならスポーツをしたり、人と話して安心するなら誰かに悩みをきいてもらったりするのもいいですね。音楽を聴いたり、マッサージに行ったりするのもおすすめです。あなたに合ったやり方で、ストレスの発散をしてください。
ただ、食生活の改善や睡眠の質改善、リフレッシュなどの手段を試したからといって、根本的に薄毛が治療できるわけではありません。あくまで薄毛予防のために有効と考えられる方法であり、AGAを改善したり、発毛させるものではないのです。AGAの改善を目指すなら、薄毛治療を扱っているクリニックに相談に行くことをおすすめします。
結局、育毛剤や発毛剤で薄毛は改善されるの?AGAを改善したいならクリニックへ
これまで、そもそも発毛剤・育毛剤の違いとはなんなのか、それぞれにどんな効果があるのか、使用上の注意点はどんなことがあるのかをお伝えしてきました。
本記事をまとめると、下記の通りです。
- 発毛剤とは「新たに髪の毛を生やすための薬」
- 育毛剤は、「既存の髪の毛を成長させるための薬」
- それぞれ薬を使用すべき毛髪のコンディションや症状が違う
- 結果的に達成できる目的が違う
- 用法は推奨されたルールを守ること
- 用量は少なすぎても多すぎても効果がない
薄毛の原因は人によって異なり、症状によって使う薬品も異なります。抜け毛を予防する段階なのか、治療する段階なのかを見極めましょう。目的に合った育毛剤・発毛剤を使用することで、よりコストをかけずに効果を発揮させることができます。
セルフケアで改善が見られない場合は、薄毛治療を扱っているクリニックを受診して医師の指導を受ける事をおすすめします。クリニックで適切な治療を受けることが、薄毛治療への近道になりますよ。
AGAクリニックの選び方とは?通院を決める前に検討すべきポイントを紹介 オンライン診療に力を入れているAGAクリニックおすすめ2選!オンライン診療の特徴や注意点も徹底解説