規則正しい生活習慣は体にいいだけでなく、薄毛にも関係しています。
睡眠は時間だけではなく、「質」の改善も大切です。薄毛や抜け毛が気になっているならば、食生活やヘアケア以外にも、睡眠改善にも気を配ってみましょう。
今回は、睡眠と薄毛の関係性や、薄毛対策に有効な良い睡眠をとるための4つのポイントなどを紹介していきます。
- 睡眠の基礎知識
- 睡眠と薄毛の関係性
- 薄毛にまつわる睡眠のよくある疑問
- 薄毛対策に有効な良い睡眠をとるための4つのポイント
育毛だけでなく肌にも健康にも良い睡眠が、AGAと関係していることを理解しましょう!
睡眠の基礎知識
人間の体は睡眠をとることで、生命活動のためのエネルギーをたくわえる仕組みを持っています。睡眠が不足すると、体や髪にダメージが蓄積され、結果的に薄毛を引き起こしてしまうのです。
まずは、そもそも睡眠のメカニズムとはどんなものか理解するところからスタートしましょう。ここでは、以下の2つのポイントごとに解説していきます。
- 睡眠のメカニズムとは?
- 睡眠の役割とは?
それでは、詳しく見ていきましょう。
睡眠のメカニズムとは?
睡眠は、性質の異なる2つの睡眠によって成り立っています。
- ノンレム睡眠:脳や身体の細胞を回復させる「深い眠り」
- レム睡眠:記憶の整理や固定をおこなう「浅い眠り」
それぞれ私たちが健康的に過ごすための重要な役割を担っています。睡眠のサイクルは約90分ごとに繰り返されており、一晩に3〜5回繰り返されます。この2種類のうち、髪の成長に必要なホルモンが発生するのは、ノンレム睡眠のサイクルです。
成長ホルモンは寝入ってから3時間以内に分泌が始まり、そしてこの3時間以内が最も髪にとって有効な時間とされているのです。
この時間の睡眠の質が髪の健康を大きく左右するといってもいいでしょう。
発毛に対する睡眠の役割とは?
髪の成長や頭皮の新陳代謝・修復には、上記で説明した成長ホルモンが関わっています。睡眠不足になると、成長ホルモンが十分に分泌されずに健康な髪が育たなくなります。
また、育毛の要である毛母細胞の細胞分裂活動も十分に行えなくなり、頭皮環境が悪化して抜け毛や薄毛の原因となってしまうのです。
AGAの進行を防ぐには、薄毛・抜け毛に特化したAGAクリニックでの治療がオススメです。AGAクリニックでは、初回は無料でカウンセリングを受けられることがほとんどです。症状が進行してから後悔しないよう、「髪の毛が薄くなってきた…」と感じたら、まずはAGAクリニックに相談してみましょう。
睡眠と薄毛の関係性
睡眠のメカニズムについて分かったことで、成長ホルモンは睡眠中だけ分泌されるということも理解できたと思います。
ここからは、睡眠と薄毛の関係性について確認していきます。
- 睡眠で分泌される成長ホルモンは育毛に作用する
- 疲労やストレスによって血流量が抑制される
これらの2つのポイントごとに解説していきます。
睡眠不足が薄毛の原因となる理由を知るため、それぞれ詳しく見ていきましょう。
睡眠で分泌される成長ホルモンは育毛に作用する
健康な髪を維持するための成長ホルモンが分泌されると、IGF-1という物質が生成されます。IGF-1とは、「インスリン様成長因子1」とも呼ばれ、健康な髪が生えるために最も重要とされています。
IGF-1には、次のような働きがあります。
- 毛包の細胞の増殖
- 毛周期における成長期の促進
- 血行改善
- 髪のタンパク質量の増加
- 抗炎症作用
毛母細胞の増殖促進に効果があるということは、健康な髪をつくって健やかな頭皮環境を維持できるということです。
つまり、成長ホルモンが分泌されずIGF-1が生成されなければ、髪の成長に必要な栄養素が生成されないということなのです。
疲労やストレスによって血流量が抑制されるから
睡眠は、疲れの解消やストレス軽減にも作用します。不眠・質の悪い睡眠を取り続けると「血流の悪化」「身体機能の低下」が引き起こされます。
- 疲労:自律神経が乱れて血流が悪くなる
- ストレス:ホルモンバランスの乱れを引き起こす
自律神経のバランスが乱れることよって、血流量が抑制されてしまいます。
血流量が減少した結果、髪に十分な酸素や栄養が運ばれなくなってしまい、毛髪を作る毛母細胞に栄養が届きにくくなり、発毛が阻害されるおそれがあります。
睡眠不足により、薄毛や脱毛などが進行してしまうのはこのためでもあるのです。
薄毛にまつわる睡眠のよくある疑問
睡眠不足は、人体に対していい影響を与えません。
身体の中と同じように、頭皮や髪にも悪影響をもたらすのです。頭皮環境の悪化はヘアサイクルの乱れに直結し、髪が健康に育たず、短い・細い状態で抜け落ちてしまいます。
ここでは、薄毛と睡眠不足についての疑問を細かく解説していきます。
- 疑問1:AGA治療の副作用で睡眠障害を発症する?
- 疑問2:寝るときに髪の毛を結ぶと脱毛につながる?
- 疑問3:一番髪の毛の生えやすい時間帯は?
それぞれチェックしてみてくださいね。
疑問1:AGA治療の副作用で睡眠障害を発症する?
結論から言うと、AGA治療の副作用で睡眠障害を発症することは「ありません」。
たしかに、AGA治療薬の使用によって副作用が起こる可能性はあります。
- 性欲減退
- 勃起機能不全
- 倦怠感
- 血圧低下
- 息切れ・呼吸苦
- むくみ・体重増加
上記からわかるように、副作用の中に睡眠障害はありません。
副作用が起きた場合は薬の使用を中止すれば症状は改善しますし、薬を変えての継続治療も可能です。
AGA治療に係る主なリスク
AGA治療は男性ホルモンに影響を及ぼす特徴があるため、治療中は献血できず、不妊治療に悪影響を及ぼす可能性があるため注意しましょう。
献血できなくなる
AGA治療中の献血は厳禁です。AGA治療薬の成分が含まれる血液が、未成年者や女性に輸血されるのを防ぐためです。
プロペシアやザガーロなどの内服薬は、女性にとって禁忌薬になっています。服用することはもちろん、経皮吸収されるため触れることもできません。
特に妊娠中の場合、胎児のホルモンに影響を及ぼす危険性があります。
そのため、プロペシアは最低1カ月、ザガーロの場合は最低3カ月は服用しない期間をつくる必要があります。
不妊治療に悪影響を及ぼす可能性がある
胎児に悪影響を及ぼす可能性が低いことは、海外の臨床試験で証明されています。
しかし、可能性がまったくないとは言えないため不安に思う方もいるでしょう。そのため、不妊治療中のように精神的な安定が必要な時期は、献血時と同様に治療薬を服用しない期間を設けることをおすすめします。
AGA治療に係る副作用
プロペシアやザガーロ、ミノキシジルなどのAGA治療薬にはそれぞれ特有の副作用が存在します。
副作用や不安感が強く出る場合は、医師と相談しながら治療を行いましょう。薬の量を減らしたり薬の種類を変えたりすることで、症状が軽くなることがあります。
具体的には次のような副作用が確認されています。
倦怠感や食欲不振
内服薬の服用で、倦怠感が出たり食欲が減少したりするなどの副作用が出ることがあります。
服用した薬が肝臓で処理されることで、肝臓に負担がかかるためです。そのため、治療前や治療中に診察だけでなく健康診断を行っているクリニックも多いです。
また、ミノキシジルによる血圧の変化がだるさを誘発することもあります。
肝機能障害
肝臓に持病がある場合、肝機能障害が副作用として出てしまうことがあります。ただし、プロペシアの服用で副作用が出る確率は、たいへん低くなっています。
肝臓に持病を抱えている方に限らず、この点について心配な方は、診察時に医師とよく相談することをおすすめします。
性欲の減少
内服薬のプロペシアやザガーロは男性ホルモンに影響を与えている可能性があることから、性欲の減少も副作用としてみられます。
勃起不全
内服薬の服用で勃起不全(ED)の副作用が出る可能性もあります。性欲の減少と同様に、AGA治療薬が男性ホルモンに影響を与えることが原因です。
ただし、EDの発症は薬以外にも様々な原因が考えられます。以前からED気味だったりストレスが多かったりする場合、EDになりやすいといえるでしょう。
また、AGA治療でEDになるという思い込みや不安が副作用を引き起こすことがあります。実際に、ザガーロと偽薬で副作用が出る確率を比較した結果、ほとんど差がないことがわかっています。
ED治療薬もあわせて処方しているクリニックもあるため、不安な方は相談してみましょう。
全身の多毛症
ミノキシジルを使用することで、頭髪だけでなく全身の体毛が濃くなることがあります。濃くなる部位は顔や胸、腕、脚など全身に及び、外用薬よりもミノキシジルの内服のほうが症状が強く出る傾向にあります。
治療中は多毛症の症状が続きますが、濃さには個人差があります。
治療しながら症状を抑えたい場合は、脱毛するなどの対処が必要です。
立ちくらみやめまい
ミノキシジルの影響で血圧が低下することで、立ちくらみやめまいが起きることがあります。
AGA治療の初期段階で起こりやすい副作用です。そのため、治療を続けていくと徐々に収まってくるでしょう。
症状が軽くならない場合は、ミノキシジルの濃度を低くしたり塗布を中止したりします。
頭痛
ミノキシジルの影響で頭痛が起きることがあります。これは、ミノキシジルの持つ血管拡張作用によって神経に血管が当たるためです。
頭痛が強く出る場合、吐き気を催すケースもあります。その場合、自己判断で鎮痛剤を飲む前に医師に相談するようにしましょう。
頭皮のかゆみやかぶれ
外用薬を頭皮に塗布することで、かゆみやかぶれ、赤みが発生することがあります。外用薬が肌に合わないこと以外にも、習慣が変わったことで一時的に起きることがあります。
また脂漏性皮膚炎が悪化することで、強いかゆみが発生するケースもあります。脂漏性皮膚炎は健康な髪の生育を阻害する原因になるため、外用薬の種類を変える、使用を控えるなどの対処が必要です。
クリニックによっては、AGA治療中の頭皮環境を整えるために薬用シャンプーやコンディショナーを処方しているところもあります。
手足のむくみや体重増加
ミノキシジルの副作用でむくみが発生することがあります。外用薬の塗布よりも内服で起きやすい副作用です。
ミノキシジルの血管拡張作用によって血流が増えるものの、血液を戻す力はほとんど変わらないことからむくみが起きます。腎臓の負担が増えることでむくみが出る原因も考えられます。
むくみが起きる部位は全身ですが、顔や手足が目立ちやすいでしょう。
また、このむくみの症状から体重の増加が起きると考えられています。
動悸や息切れ
ミノキシジルの外用や内服で動悸や息切れが起こることがあります。
ミノキシジルを体内に取り入れることで心臓への血流量が少なくなり心臓の酸素量が減少すると、同時に肺の負担が増えます。その結果、動悸や息切れなど循環器系の副作用が発生してしまいます。
動悸によって胸痛や不整脈を引き起こす場合もあります。
症状が収まらない場合や強く出てしまう場合は、外用薬や内服の容量を減らす、内服をやめるなどの対処が必要です。
疑問2:寝るときに髪の毛を結ぶと脱毛につながる?
特に女性に多いと思いますが、髪を結んだまま寝る方や、エクステンションをつけている方で、髪を三つ編みにして眠る方がいらっしゃると思います。それが髪に悪いかもと思っている方もいるでしょう。
実は、寝るときに髪の毛を結ぶと脱毛につながるという疑問の答えは、「イエス」です。AGAではありませんが、「牽引(けんいん)性脱毛症」という脱毛症になりやすくなってしまいます。
髪を結んでいるということは、その時間は常に髪が引っ張られているということです。髪が引かれていると、頭皮へ負担がかかります。蓄積されていく頭皮へのダメージによって髪に栄養が届きにくくなり、抜け毛の増加や薄毛の悪化につながるのです。
就寝時に髪を結ぶと、寝ている間常に頭皮がダメージを受けてしまい、負担がかかりやすくなるため、控えるのが望ましいでしょう。
疑問3:一番髪の毛の生えやすい時間帯は?
睡眠中、一番髪の毛の生えやすい時間帯というのが存在します。それは、22時~2時の間です。
成長ホルモンは睡眠中に分泌されるというのはお伝えしたとおりです。この成長ホルモン分泌量が最も上昇し、毛母細胞に届いて細胞分裂がピークになる時間帯が、22時から2時の4時間なのです。この時間に眠っていれば、成長ホルモンが最大限に分泌されるといわれています。
ただ、社会人の方は、22時に就寝するのは難しいでしょう。そんな方は、睡眠サイクルを整えて入眠3時間を熟睡するのがおすすめです。規則正しい睡眠習慣を心がけて睡眠リズムを整えると、良質な睡眠を取れますよ。
薄毛対策に有効な良い睡眠をとるための4つのポイント
睡眠は長く寝ればいいというわけではありません。むしろ、だらだら寝ることは体にもあまりよくないとされているのです。睡眠は、時間の長さだけでなく「質」にこだわる必要があるのです。
薄毛対策に有効な良い睡眠をとるためには、ポイントを4つ押さえておきましょう。
- ポイント1:入浴は就寝の2時間前までに済ませる
- ポイント2:日々の睡眠リズムを一定に保つ
- ポイント3:睡眠環境を整える
- ポイント4:カフェインを18時以降に摂取するのは控える
薄毛改善のためには、自分に合った対策を講じることで改善していくことが大切です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイント1:入浴は就寝の2時間前までに済ませる
入浴は就寝する2時間前に済ませましょう。ヒトの身体は、体内深部の温度が低下することで睡眠欲が上がりますので、入浴によってあたためられた体が2時間で適度に下がることで自然な眠気を誘発できるためです。
体をリラックスさせるには、高温の湯船に入るより、ぬるめの水温がおすすめ。お気に入りの入浴剤やバスソルトを入れるのもいいですね。15〜20分入浴することで体を芯から温められ、スムーズに眠りにつきやすくなります。
ポイント2:日々の睡眠リズムを一定に保つ
- 起きて疲れがとれていない
- 頭がスッキリしない
- 眠くて仕方がない
以上の3つの項目に当てはまる方は、規則正しい睡眠習慣ができていない可能性があります。睡眠は適切な睡眠時間を保ち、睡眠リズムを整えることで質が上がるといわれています。
適切な睡眠時間は年齢や体調によって変わりますが、睡眠リズムを一定に保つ重要さはどの年代でも変わりません。起床時間を揃えて睡眠時間を一定に保つことで、日中の眠気がおこりにくくなりますよ。
また、自分にあった睡眠時間をとると、上質な睡眠により副交感神経の活動効率が上がります。その結果頭皮や髪がきちんと休息でき、短期間で髪を増やせるようになるでしょう。
ポイント3:睡眠環境を整える
深い眠りが妨げられて頭に流れる血流が十分にならないと、髪をつくるための栄養が足りなくなります。ぐっすり眠るためには、良質な睡眠を得られる環境を整えることも大切です。
- 寝苦しい寝具や服装を避ける
- 騒音や振動のある場所で眠らない
- 体に合った枕を使う
- 就寝の2時間前はスマホやパソコンの使用を控える
以上のように睡眠環境を整えることで、自然な眠りにつけるようになります。
特に、肩コリや疲れが残っている方は、血行が悪い証拠です。薄毛に悩む方で肩こりがひどいなら、血行不良により抜け毛が増えている可能性もあります。自分に合った枕に変えることが良質な睡眠の一歩になるかもしれません。
また、スマホやパソコンを常に見ている方も注意が必要です。
睡眠をつかさどるメラトニンというホルモンがブルーライトの明るい光で抑制され、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりするためです。
睡眠の質を低下させないよう、できるだけ就寝の2時間前はスマホやパソコンの使用を控えるようにしましょう。
ポイント4:カフェインを18時以降に摂取するのは控える
カフェインには神経を興奮させる作用がありますから、良質な睡眠を妨げてしまいます。夕食後にコーヒーなどが飲みたい場合は、ノンカフェインのものにしましょう。
質のいい睡眠に効果的なハーブとして、バレリアンやレモンピールがおすすめです。
寝酒が癖になるといけませんので、睡眠前はノンアルコールが良いでしょう。電子レンジで軽く温めて飲む「ノンアルコールホットワイン」は、寒い季節にあたたまりますし、リラックス効果もあるので、おすすめです!
睡眠の質を上げて薄毛対策を!気になる方はクリニックに相談
これまで、睡眠と薄毛が大きく関係性しているという根拠や、薄毛対策に有効な良い睡眠をとるための4つのポイントなどをお伝えしてきました。
本記事をまとめると、下記の通りです。
- 睡眠は、性質の異なる2つの睡眠によって成り立っている
- 睡眠で分泌される成長ホルモンは育毛に作用する
- 規則正しい睡眠習慣を心がけて睡眠リズムを整えると発毛効果につながる
- 質のいい睡眠をとりながら治療をすることでAGAは改善する可能性がある
- 発毛・育毛を目指すなら、AGAクリニックに相談してみる
薄毛にお悩みの方は、成長ホルモンの分泌に必要な質のいい睡眠を意識することが大切です。成長ホルモンをしっかり分泌させて十分な育毛効果を得るには、最低でも4時間以上の良質な睡眠をとるようにしましょう。
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